理事長ごあいさつ

                            理事長 奥田 陽子

 特定非営利活動法人 生駒の地域医療を育てる会は2008年7月に生駒の地域医療を育てる会として発足、2013年7月に法人化し、今年は法人化して丸10年という節目の年にあたります。この重要な時に、2023年度第1回理事会を経て理事長としての重責をお引き受けすることに身が引き締まる思いです。
 私が当会に理事として参画するようになったのは2018年で、同時に市民として生駒市の病院事業推進委員にも就任いたしました。それまでは仕事として大阪市内に勤務する傍ら、ボランティアとして“ちょっといいこま”という市民の横のつながりを作る活動を行っていました。当会に参画することで、医療と市民の活動の交差点のような活動をすることとなった訳ですが、市民が医療を人任せにするのではなく、我ごととして考える大切さをひしひしと感じています。現在は「生駒の地域医療と生駒市立病院の将来像を考えるプロジェクト」を担当し、もしバナゲーム、ワールドカフェ、おしゃべりサロンなどを実施し、市民が医療について考え、市民同士で対話、また医療職ともフラットに話すような場作りに力を入れています。
 我が国の高齢化率は29.1%(2022年現在)で世界一であり、生駒市は28.7%以上(2020年現在)です。当市は人口増加の時期が集中していたためにこれから高齢化が一気に進むと言われています。安心安全なまち生駒で暮らし続けるためには、医療だけではなく介護、福祉や健康を含めたwell-being(参考) を考えることが不可欠です。
 2020年に世界を一変させたCOVID-19という新型感染症では診断や診察をすぐに受けることができない時期もありました。このことが「フリーアクセスで、希望すればいつでも医療を受けられる」という日本の医療制度の素晴らしさを実感することになりました。世界にも類を見ない手厚い医療を受け続けるためには、市民はどのように行動すればいいのか?を考えるのは今しかないと思います。
 当会の前身である「市民の病院をつくる会」と他団体、市民の力で設立された生駒市立病院は2024年に開院10周年を迎えます。その時までに、市民、生駒市、生駒市医師会、生駒市立病院が手に手をとって安心して暮らし続けられるまちづくりをできる様な仕組みが必要です。 
 また、生駒市単体で考えるのではなく、海外の先進事例、日本の進むべき方向性、奈良県の動向などを注視しながら、自分たちで暮らしたい街づくりを考え、作っていきたいと考えています。理事長や会員だけではこのような大きなことを成し遂げることは難しいですので、この活動に関心がある方は講演会を聴講したり、イベントへ参加したり、活動にご参画ください。皆様のご参加をこころよりお待ちしています。       

参考)well-being とは世界保健機関(WHO)憲章における健康の定義の中で、広義の健康として使われたことから広くしられるようになった表現。
「健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあることをいいます。(日本WHO協会訳)」

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